ASEAN・中南米の建設プロジェクト税務リスク対策|PE課税・VAT負担・税番取得の5カ国(インドネシア・フィリピン・タイ・メキシコ・ブラジル)実務比較と免税制度活用法(第2部)

第1部の概要と第2部の概要:第1部では、5カ国の事業形態選択と契約ストラクチャを比較した。フィリピンの駐在員事務所の実質的機能不全、ブラジルの支店設立における大統領令の必要性、PE帰属利益算定の実質主義(インドネシア・ブラジル)、源泉税軽減のための租税条約活用、移転価格リスク管理の重要性を明らかにした。第2部(第4章~第5章)では、各国の基本税制(法人税・VAT・源泉税)と機器輸入免税制度(Master List、BOI、IMMEX、一時輸入)の詳細を比較し、税番取得(NPWP/TIN/RFC/CNPJ/TIN)の実務手続きと遅延リスクを分析する。

第4章:5カ国の税制構造と機器輸入免税制度比較

大型プラント建設プロジェクトにおける税務コストは、法人税、付加価値税(VAT)、機器輸入関税の3つが主要な構成要素となる。特に、数百億円規模の機器・資材を輸入する場合、関税とVATの累積負担は極めて重く、プロジェクト収支に直結する。本章では、5カ国の基本税制構造を整理した上で、各国が提供する機器輸入免税制度の詳細と適用条件を比較し、実務上の活用可能性を検討する。

4.1 法人税・VAT・源泉税の基本構造

5カ国の法人税率は、タイの20%からブラジルの34%まで幅がある。ブラジルは連邦法人所得税(IRPJ)25%と社会貢献税(CSLL)9%を合算した実効税率34%で、5カ国中最も高い。メキシコは30%、フィリピン25%、インドネシア22%、タイ20%と続く。ただし、これらは標準税率であり、特定産業や地域に対する優遇税制(タイのBOI認定による3-8年間の法人税免税等)が適用される場合、実効負担は大きく異なる。

VAT(付加価値税)は、プロジェクト初期段階での資金繰りに大きな影響を与える。インドネシアは2025年1月にVAT税率が名目上11%から12%に引き上げられたが、財務省規則PMK-131/2024により、非贅沢品については課税ベース調整により実効税率11%が維持されている。贅沢品のみが12%の実効負担となる。フィリピンも12%を維持している。メキシコのIVA(付加価値税)は16%、タイは2026年9月30日まで暫定的に7%(標準税率10%)に据え置かれている。ブラジルのVAT構造は極めて複雑で、州税であるICMS(17-20%)と連邦税であるPIS/COFINS(非累積方式で合計9.25%、累積方式で3.65%)が課税される。特にICMSは税額自体が課税ベースに含まれる「税込み課税」方式を採用しており、例えばICMS 18%の場合、実効税率は18%÷(1-0.18)=21.95%となる。さらにPIS/COFINSも同様の計算構造を持つため、これらを複合的に適用すると、実効VAT負担は40%を超える場合がある。ブラジルでは2026年からVAT改革(IBS/CBS統合)が段階的に実施される予定だが、過渡期の税制適用には不確実性が残る。ブラジルでは2026年からVAT改革(IBS/CBS統合)が段階的に実施される予定だが、過渡期の税制適用には不確実性が残る。

表7:法人税・VAT・源泉税の基本税率比較

法人税率VAT税率VAT仕組みの特徴技術サービス源泉税ロイヤルティ源泉税
インドネシア22%12%(名目、非贅沢品は実効11%)標準的な仕入税額控除方式2-20%15%
フィリピン25%12%標準的な仕入税額控除方式最高25%25%
メキシコ30%16%標準的な仕入税額控除方式25-35%25%
ブラジル34%(IRPJ+CSLL)実効40%超(ICMS+PIS/COFINS税込み課税)累積課税、2026年改革予定15%15%
タイ20%7%(2026年9月まで暫定、標準10%)標準的な仕入税額控除方式3-15%15%

源泉税については前章で詳述したが、技術サービス料への課税はメキシコ(25-35%)とフィリピン(最高25%)が特に高く、租税条約による軽減措置の活用が不可欠である。ブラジルは国内法で15%だが、米国と租税条約を締結していないため、米系企業にとっては不利な環境となっている。

4.2 機器輸入免税制度の全体像

大型プラント建設プロジェクトでは、数百億円規模の機器・資材を輸入する場合、関税(通常5-20%)とVAT(7-40%)の合計負担は極めて重い。この負担を軽減するため、各国は産業振興を目的とした機器輸入免税制度を提供している。ただし、その適用範囲、適用条件、申請手続きの複雑さは国によって大きく異なる。

インドネシアは、1998年に導入されたMaster List制度を現在も運用している。この制度は、産業建設用の機械・設備を対象に、輸入関税とVATを免税とするもので、2024-2025年も有効である。適用を受けるには、プロジェクトが産業振興に資すると認定され、輸入機器リスト(Master List)を税関当局に事前承認させる必要がある。承認には通常2-4ヶ月を要し、プロジェクト開始後2年間の輸入期間が設定される。インドネシア財務省規則(PMK)に基づく手続きは煩雑だが、適用されれば関税・VAT合計で輸入額の約25-30%相当のコスト削減効果がある。

フィリピンは、BOI(Board of Investments、投資委員会)登録企業に対し、包括的な税制優遇措置を提供している。BOI認定プロジェクトは、資本設備、原材料、スペアパーツの輸入関税・VATが免税となる。さらに、所得税優遇(Income Tax Holiday、最長7年間)や追加控除も適用される。ただし、BOI認定には厳格な審査があり、プロジェクトがフィリピンの産業優先計画(Investment Priorities Plan)に合致することが条件となる。認定取得には6-12ヶ月を要する場合があり、プロジェクト計画段階での早期申請が不可欠である。

メキシコのIMMEX(Maquiladora)制度は、製造業向けの一時輸入免税制度である。輸出向け製品の製造に使用される機械・原材料の輸入関税・VATが免税となるが、この制度は「輸出製造業」を前提としており、純粋な建設プロジェクト(オイル&ガスプラント等)には原則として適用されない。建設プロジェクトで免税措置を受けるには、特定の経済特区(SEZ: Special Economic Zone)内での事業展開や、個別の免税申請が必要となるが、適用条件は極めて限定的である。

ブラジルは、一時輸入制度(Temporary Admission Regime)とDrawback制度を提供している。一時輸入制度は、建設プロジェクトで使用する機械・設備を一時的に輸入し、プロジェクト完了後に再輸出することを条件に、関税を免除または軽減する制度である。ただし、VATに相当するPIS/COFINSやICMSは原則として免税されず、また再輸出義務があるため、現地に恒久的に設置するプラント設備には適用できない。Drawback制度は輸出製造業向けであり、建設プロジェクトへの適用は事実上困難である。

タイは、BOI(Board of Investment、投資委員会)認定プロジェクトに対し、極めて包括的な優遇措置を提供している。BOI認定を受けたプロジェクトは、機械・設備の輸入関税免税、法人税免税(3-8年間)、外国人就労許可の優遇、土地所有権の特例など、多岐にわたる恩恵を受けられる。タイのBOI認定手続きは比較的迅速で、申請から承認まで3-6ヶ月程度である。ただし、認定には一定の条件(タイ国籍者の雇用比率、技術移転、環境基準遵守等)があり、プロジェクト期間中の継続的な報告義務が課される。

表8:機器輸入免税制度の詳細比較

制度名称関税免税VAT免税適用対象プロジェクト申請から承認期間主要適用条件
インドネシアMaster List制度✅ 免税✅ 免税産業建設プロジェクト全般2-4ヶ月産業振興認定、Master List事前承認、2年間輸入期間
フィリピンBOI Incentives✅ 免税✅ 免税BOI認定プロジェクト6-12ヶ月Investment Priorities Plan適合、雇用・技術移転要件
メキシコIMMEX/SEZ△ 限定的△ 限定的輸出製造業(建設は原則対象外)3-6ヶ月輸出前提、再輸出義務、経済特区内など限定条件
ブラジル一時輸入制度✅ 免税/軽減❌ 原則課税一時輸入機器のみ2-4ヶ月再輸出義務(恒久設置設備は対象外)
タイBOI Incentives✅ 免税✅ 免税BOI認定プロジェクト3-6ヶ月雇用・技術移転・環境基準、継続報告義務

4.3 免税制度活用の実務戦略

機器輸入免税制度の活用可能性は、プロジェクトの性質と国によって大きく異なる。インドネシア、フィリピン、タイは、大型プラント建設プロジェクトに対して実効性の高い免税制度を提供しており、適用を前提としたプロジェクト計画が推奨される。特にタイのBOI制度は、機器免税に加えて法人税免税も享受できるため、税務コスト削減効果が最も大きい。

一方、メキシコとブラジルは、建設プロジェクトへの免税制度適用が限定的である。メキシコでは、IMMEXが適用されない場合、通常の関税・VAT負担(合計30%前後)を織り込む必要がある。ブラジルの一時輸入制度は再輸出義務があり、現地に恒久設置するプラント設備には適用できないため、実務上は限定的である。ブラジルでは、機器輸入コスト(関税+ICMS+PIS/COFINS合計で50%前後)がプロジェクト収支を圧迫する最大のリスク要因となる。

免税制度の申請は、プロジェクト計画段階での早期着手が不可欠である。特にフィリピンのBOI認定は6-12ヶ月を要するため、フロントエンドエンジニアリング段階での並行作業が必要となる。インドネシアのMaster List承認も2-4ヶ月を要し、機器発注スケジュールとの整合が重要である。タイは比較的迅速だが、認定後の継続報告義務を履行できる体制(現地法務・税務スタッフの配置)を事前に整備する必要がある。

表9:免税制度活用の実務難易度と推奨戦略

建設プロジェクトへの適用可能性手続きの複雑さコスト削減効果推奨戦略
インドネシア◎ 高い★★★☆☆ 中程度輸入額の25-30%削減Master List事前承認必須、2-4ヶ月前倒し申請
フィリピン◎ 高い(BOI認定要)★★★★☆ 複雑輸入額の25%+法人税優遇計画段階でBOI申請、6-12ヶ月前倒し
メキシコ△ 限定的★★★☆☆ 中程度適用困難な場合が多い経済特区・個別免税の可能性探索、代替策検討
ブラジル△ 限定的(再輸出義務)★★★★★ 極めて複雑限定的(恒久設備は対象外)一時輸入適用範囲の精査、通常課税前提の収支計画
タイ◎ 極めて高い★★☆☆☆ 比較的容易輸入額の25%+法人税3-8年免税BOI認定前提のプロジェクト計画、3-6ヶ月前倒し申請

機器輸入免税制度の活用は、プロジェクト収支に直結する重要な税務戦略である。インドネシア、フィリピン、タイでは免税制度を最大限活用し、メキシコとブラジルでは通常課税を前提とした保守的な収支計画が推奨される。いずれの国でも、現地の税務・法務専門家と連携し、申請要件の精査と手続きの並行管理が不可欠である。

第5章:5カ国における税番取得実務

大型プラント建設プロジェクトにおいて、現地での事業活動開始前に必ず取得しなければならないのが税務登録番号(Tax Identification Number)である。この税番は、法人税・VAT申告、源泉税納付、銀行口座開設、従業員給与支払など、あらゆる経済活動の前提となる。税番取得には国によって数日から数ヶ月を要し、特に取得が遅延すればプロジェクト全体のスケジュールに影響を及ぼす。本章では、5カ国の税番取得手続きの詳細、取得期間、必要書類、実務上の遅延リスクを比較し、フロントエンドスケジュールにおける留意点を整理する。

5.1 税番の種類と機能

5カ国の税番制度は、名称と機能がそれぞれ異なる。インドネシアはNPWP(Nomor Pokok Wajib Pajak)と呼ばれる税務登録番号を使用し、これは法人・個人を問わずすべての納税者に付与される。フィリピンはTIN(Tax Identification Number)、メキシコはRFC(Registro Federal de Contribuyentes)、ブラジルはCNPJ(Cadastro Nacional da Pessoa Jurídica)、タイはTIN(Tax Identification Number)をそれぞれ使用する。これらの税番は、単なる識別番号に留まらず、税務申告の適法性、銀行取引の正当性、政府調達への参加資格など、事業活動全般の法的基盤となる。

特にブラジルのCNPJは、税番としての機能に加えて、法人格の正式な登録証明としての性格を持つ。CNPJを取得していない法人は、ブラジル国内での契約締結、不動産賃貸、従業員雇用など、いかなる法的行為も行えない。このため、支店設立やプロジェクト開始前のCNPJ取得は絶対条件となる。

表10:税番の名称と基本機能

税番名称付与対象主要機能法人格との関係
インドネシアNPWP法人・個人・PE税務申告・源泉税納付・銀行口座開設法人格と独立
フィリピンTIN法人・個人税務申告・VAT登録・給与支払法人格と独立
メキシコRFC法人・個人税務申告・インボイス発行・政府調達法人格と独立
ブラジルCNPJ法人のみ税務申告+法人格証明・契約締結・雇用法人格と一体
タイTIN法人・個人税務申告・VAT登録・源泉税納付法人格と独立

5.2 取得期間と手続きの複雑性

税番取得に要する期間は、国によって大きく異なる。タイは最も迅速で、必要書類が整っていれば即日から数日で取得できる。フィリピンも比較的迅速で、オンライン申請により3日程度で発行される。インドネシアのNPWPは通常1ヶ月以内に取得できるが、外国法人の支店・PEの場合、本国法人の存在証明や定款の認証翻訳が必要となり、準備期間を含めると2-3ヶ月を要する場合がある。

メキシコのRFCは、税務当局(SAT: Servicio de Administración Tributaria)への対面申請が原則で、書類審査に数週間を要する。特に外国法人の支店設立の場合、経済省への支店登録完了後にRFC申請が可能となるため、全体で2-3ヶ月を見込む必要がある。

ブラジルのCNPJ取得は、5カ国中最も複雑かつ時間を要する。外国法人が支店を設立する場合、大統領令(Presidential Decree)による支店設立承認が前提となり、この承認取得だけで6-12ヶ月を要する。大統領令取得後、連邦歳入庁(Receita Federal)にCNPJ申請を行うが、書類審査が厳格で、不備があれば何度も差し戻される。実務上、CNPJ取得までの総期間は30-90日(大統領令取得後)とされるが、初回申請で承認されるケースは少なく、平均的には3-6ヶ月を要する。さらに、ブラジルではCNPJ取得後に州税務登録(Inscrição Estadual)、市税務登録(Inscrição Municipal)も別途必要となり、これらを合わせると全体で12-18ヶ月を見込む必要がある。

表11:税番取得期間と手続きの複雑性

税番名称標準取得期間外国法人の実務期間手続きの複雑性主要遅延要因
インドネシアNPWP1ヶ月以内2-3ヶ月★★★☆☆ 中程度本国書類の認証翻訳、公証手続き
フィリピンTIN3日程度1-2週間★★☆☆☆ 比較的容易SEC登録完了との連携、オンライン申請不備
メキシコRFC数週間2-3ヶ月★★★☆☆ 中程度経済省支店登録の先行必要、対面申請の予約待ち
ブラジルCNPJ30-90日3-6ヶ月(大統領令後)★★★★★ 極めて複雑大統領令取得6-12ヶ月、書類差し戻し頻発
タイTIN即日~数日1週間以内★☆☆☆☆ 容易ほとんどなし

5.3 必要書類と実務上の注意点

税番取得に必要な書類は、国によって詳細が異なるが、共通して求められるのは、本国法人の登記簿謄本(Certificate of Incorporation)、定款(Articles of Association)、取締役会決議書(Board Resolution)、代表者のパスポートコピーなどである。これらの書類は、現地公証人による認証、現地語への翻訳、アポスティーユ認証(ハーグ条約加盟国間)または領事認証を経る必要がある。

インドネシアでは、本国法人の定款と登記簿謄本をインドネシア語に翻訳し、公認翻訳者の認証を受ける必要がある。フィリピンでは、SEC(Securities and Exchange Commission)への支店登録が完了していることが前提となり、SEC発行の登録証明書がTIN申請の必須書類となる。メキシコでは、経済省(Secretaría de Economía)への支店登録証明書、現地法定代理人の任命証明、税務住所(domicilio fiscal)の証明が必要である。

ブラジルは最も書類要件が厳格で、大統領令の原本、連邦官報(Diário Oficial da União)掲載証明、本国法人の過去3年分の財務諸表、資本金送金証明(Banco Central do Brasil登録)など、膨大な書類の提出が求められる。また、ブラジルではCNPJ取得後に、CND(Certidão Negativa de Débitos、納税証明書)の取得が実務上必須となるが、このCNDは「過去に税務債務がないこと」の証明であり、新規設立法人は理論上取得不可能である。実務上は、税務当局に「税務債務なし」の確認を個別に求める必要があり、この手続きだけでさらに1-2ヶ月を要する。

タイは最も書類要件が緩く、法人登記証明書、VAT登録証明書(該当する場合)、代表者のパスポートコピーで申請可能である。BOI認定プロジェクトの場合、BOI証明書を提出することで手続きが簡素化される。

表12:税番取得に必要な主要書類

本国法人書類現地登録前提認証・翻訳要件特殊要件
インドネシア登記簿・定款・取締役会決議法務人権省への支店登録インドネシア語翻訳・公証本国での納税証明
フィリピン登記簿・定款・取締役会決議SEC支店登録完了英語翻訳・公証SEC登録証明書必須
メキシコ登記簿・定款・代理人任命経済省支店登録完了スペイン語翻訳・公証税務住所証明(賃貸契約等)
ブラジル登記簿・定款・財務諸表3年分大統領令取得・官報掲載ポルトガル語翻訳・領事認証資本金送金証明・CND取得困難
タイ登記簿・定款DBD登録完了英語翻訳可・公証BOI認定で簡素化

5.4 実務上の遅延リスクとフロントエンド管理

税番取得の遅延は、プロジェクト全体のスケジュールに連鎖的な影響を及ぼす。税番なしには銀行口座を開設できず、口座なしには資本金送金、従業員給与支払、サプライヤーへの支払が不可能となる。また、税番取得前に発生した費用は、税務上の損金算入が認められない場合があり、プロジェクト初期の税務リスクとなる。

ブラジルは遅延リスクが最も高く、CNPJ取得までの総期間12-18ヶ月を前提としたスケジュール管理が必要である。大統領令申請は支店設立を正式決定した段階で即座に着手し、並行して必要書類の準備(財務諸表の翻訳・認証、資本金送金計画等)を進める必要がある。インドネシアとメキシコも2-3ヶ月を要するため、フロントエンドエンジニアリングと並行して書類準備を開始すべきである。

フィリピンとタイは比較的迅速だが、フィリピンはSEC登録の完了が前提となるため、SEC申請手続き(通常1-2ヶ月)との連携が重要である。タイは最も遅延リスクが低いが、BOI認定を受ける場合、BOI証明書取得(3-6ヶ月)を先行させる必要がある。

表13:税番取得遅延リスクとフロントエンド管理の推奨事項

遅延リスク推奨着手時期クリティカルパス要因代替策・緩和策
インドネシア★★★☆☆ 中程度プロジェクト決定後即座本国書類の認証翻訳に1-2ヶ月公証・翻訳の並行手配
フィリピン★★☆☆☆ 低いSEC登録と同時並行SEC登録完了が前提(1-2ヶ月)SEC登録の早期着手
メキシコ★★★☆☆ 中程度経済省登録と同時並行経済省支店登録に1-2ヶ月税務住所の事前確保
ブラジル★★★★★ 極めて高いプロジェクト構想段階大統領令取得6-12ヶ月現地パートナー・JV検討
タイ★☆☆☆☆ 極めて低いプロジェクト決定後1-2ヶ月前ほとんどなしBOI認定先行で簡素化

実務上、税番取得はプロジェクト全体のクリティカルパスを形成する可能性があり、特にブラジルでは最優先課題として位置づける必要がある。現地の税務・法務アドバイザーとの早期連携、必要書類の並行準備、代替策(現地企業とのJV等)の検討が、遅延リスク緩和の鍵となる。

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