九星干支の計算原理と実用性九星干支データベース完全解説 ”200年分の計算原理と実用ガイド” Part 1: 九星干支の計算原理と実用性

九星干支暦

第1章:九星・干支の基礎知識

1.1 九星気学と干支暦の歴史・活用国

九星気学と干支暦は、古代中国で発展した時間と空間の質を読み解く体系である。九星気学は、一白水星から九紫火星までの9つの星が、9年周期で巡るという考え方に基づいており、各星は五行(木・火・土・金・水)と方位に対応している。この体系は、単なる占いの枠を超え、建築、都市計画、軍事戦略にまで応用されてきた歴史を持つ。

一方、干支暦は十干(甲・乙・丙・丁・戊・己・庚・辛・壬・癸)と十二支(子・丑・寅・卯・辰・巳・午・未・申・酉・戌・亥)を組み合わせた60周期のサイクルで時間を表現する暦法である。十干と十二支はそれぞれ五行と陰陽の属性を持ち、これらが複雑に組み合わさることで、年・月・日・時間それぞれに固有のエネルギー特性が与えられると考えられてきた。干支暦は紀元前から中国で使用され、農業や儀礼の基準として機能してきた。

表1-1: 九星と五行・方位の対応

九星五行方位象意
一白水星知恵・流動・秘密
二黒土星南西大地・母性・従順
三碧木星成長・発展・若さ
四緑木星南東調和・信用・縁
五黄土星中央帝王・変化・破壊
六白金星北西権威・完成・天
七赤金星西喜悦・金銭・交際
八白土星北東変化・相続・蓄積
九紫火星知性・美・名誉

九星気学と干支暦は、中国から東アジア全域に広がり、現在も日本、韓国、台湾、香港、シンガポール、マレーシア、ベトナムなどで広く活用されている。特に日本では、明治維新後も旧暦と併用される形で干支暦が使われ続け、九星気学は方位学や家相学として独自の発展を遂げた。韓国では四柱推命(サジュ)が日常生活に深く根付いており、結婚や事業開始の際に必ず干支暦が参照される。香港や台湾では風水と結びついた択日(良い日を選ぶ)の文化が根強く、干支と九星のデータは不動産取引や開業日の決定に欠かせない要素となっている。

表1-2: 十干の属性

十干陰陽五行象意
甲(きのえ)大木・成長・リーダーシップ
乙(きのと)草花・柔軟性・適応力
丙(ひのえ)太陽・情熱・顕現
丁(ひのと)灯火・繊細・芸術性
戊(つちのえ)山・安定・信頼
己(つちのと)田畑・育成・忍耐
庚(かのえ)鉱石・剛健・改革
辛(かのと)宝石・洗練・繊細
壬(みずのえ)大河・奔放・知恵
癸(みずのと)雨露・静寂・深淵

表1-3: 十二支の属性

十二支陰陽五行時刻(時辰)方位象意
子(ね)23:00-01:00始まり・繁殖
丑(うし)01:00-03:00北北東忍耐・蓄積
寅(とら)03:00-05:00東北東勇気・成長
卯(う)05:00-07:00温和・発展
辰(たつ)07:00-09:00東南東活動・変化
巳(み)09:00-11:00南南東知恵・執念
午(うま)11:00-13:00情熱・栄光
未(ひつじ)13:00-15:00南南西穏やか・家庭
申(さる)15:00-17:00西南西機敏・器用
酉(とり)17:00-19:00西実り・完成
戌(いぬ)19:00-21:00西北西誠実・守護
亥(い)21:00-23:00北北西純粋・終結

1.2 九星・干支を用いる占術の種類

九星と干支のデータは、東アジアの多様な占術体系の基盤となっている。これらの占術は、単なる運勢判断にとどまらず、人生の重要な決断や日常の行動指針を与える実用的なツールとして機能してきた。

四柱推命は、生年月日時の干支(年柱・月柱・日柱・時柱の4本の柱)から個人の宿命と運命を読み解く占術である。中国では「八字(バーズー)」、韓国では「四柱(サジュ)」と呼ばれ、東アジアで最も広く信頼されている命術の一つである。四柱推命では、特に時間の干支が重要視されるため、正確な時間干支データが不可欠となる。本データベースが12時間分の時間干支を200年にわたって網羅している理由は、まさにこの四柱推命での実用性にある。

九星気学は、日本で独自に発展した方位学・吉凶判断の体系である。年家九星・月家九星・日家九星を組み合わせることで、各人にとっての吉方位や凶方位を判定し、引越し、旅行、事業開始の方位選択に活用される。村山幸徳、園田真次郎、宮田喜代志など、多くの流派が存在し、それぞれ独自の解釈と応用法を展開している。いずれの流派でも、日家九星の計算において「変遁日」(陽遁と陰遁の切り替わり日)の正確な把握が最も重要な技術的課題となる。

奇門遁甲は、中国の古代兵法に起源を持つ高度な時空間占術である。時間と方位を組み合わせた「盤」を作成し、特定の時刻・方位における吉凶を詳細に判定する。奇門遁甲では、年・月・日・時の干支と九星、さらに「陽遁」「陰遁」の情報が同時に必要となる。本データベースが「Event列」に変遁日・夏至・冬至を明記し、「遁甲情報列」に陽遁・陰遁の状態を記録している理由は、奇門遁甲の実務家がこれらの情報を即座に参照できるようにするためである。

風水・択日では、建築や事業開始、結婚、葬儀などの重要行事において、最も良い日時を選ぶために干支と九星が用いられる。香港や台湾では、ビルの建設開始日や開業日の決定に、必ず風水師が関与し、干支暦に基づいた択日が行われる。この際、年・月・日の干支と九星の組み合わせだけでなく、時間干支まで考慮されることが多い。

このように、九星・干支データは多様な占術分野で不可欠な基礎情報であり、その正確性と包括性が実務家にとって決定的に重要な価値を持つ。本データベースは、これらすべての占術分野に対応できる200年分の完全なデータセットを提供することを目的として開発された。

第2章:九星・干支の計算方法

九星と干支の計算は、天文学と伝統的な暦法が組み合わさった体系である。本章では、年・月・日・時それぞれの九星と干支がどのような原理で求められるのかを、実例を交えながら解説する。

2.1 年家九星・干支の求め方

年家九星と年干支を求める際に最も重要なのは、年の切り替わりが立春であるという点である。これは、西暦の1月1日でも、旧正月(春節)でもない。立春は毎年2月4日前後に訪れる二十四節気の最初の節であり、太陽の黄経が315度に達する瞬間を指す。

例えば、2024年1月15日に生まれた人を考えてみよう。西暦では2024年であるが、2024年の立春は2月4日17時27分であるため、1月15日はまだ2023年として扱われる。したがって、この人の年家九星と年干支は2023年のもの(四緑木星・癸卯)となる。逆に、2024年2月4日17時30分に生まれた人は、立春を過ぎているため、2024年のもの(三碧木星・甲辰)となる。

年家九星は、9年周期で巡る九つの星によって表される。ただし、この巡り方は順行ではなく逆行である。つまり、九紫火星の翌年は八白土星、その翌年は七赤金星というように、数字が減少する方向に進む。

表2-1: 近年の年家九星と年干支

西暦年(立春以降)年家九星年干支
2016年七赤金星丙申
2017年六白金星丁酉
2018年五黄土星戊戌
2019年四緑木星己亥
2020年三碧木星庚子
2021年二黒土星辛丑
2022年一白水星壬寅
2023年九紫火星癸卯
2024年八白土星甲辰
2025年七赤金星乙巳

年干支は、60年で一巡する。十干(甲・乙・丙・丁・戊・己・庚・辛・壬・癸)と十二支(子・丑・寅・卯・辰・巳・午・未・申・酉・戌・亥)を組み合わせた60通りの組み合わせがあり、これが順次進行する。1984年が甲子(60干支の起点)であり、60年後の2044年に再び甲子が巡ってくる。

2.2 月家九星・干支の求め方

月家九星と月干支は、**二十四節気の「節入り」**を基準として切り替わる。二十四節気とは、1年を24等分した暦法上の区切りであり、このうち奇数番目(立春・啓蟄・清明・立夏・芒種・小暑・立秋・白露・寒露・立冬・大雪・小寒)が「節」と呼ばれ、月の境界を定める。

表2-2: 二十四節気と月の対応

節気新暦の月旧暦の月太陽黄経月支
立春2月初旬正月315°
啓蟄3月初旬二月345°
清明4月初旬三月15°
立夏5月初旬四月45°
芒種6月初旬五月75°
小暑7月初旬六月105°
立秋8月初旬七月135°
白露9月初旬八月165°
寒露10月初旬九月195°
立冬11月初旬十月225°
大雪12月初旬十一月255°
小寒1月初旬十二月285°

月干支は、年干支の天干(十干)によって決まる規則に従う。これを**「五虎遁」**と呼ぶ。例えば、年干が甲または己の年は、立春後の最初の月(寅月)が「丙寅」から始まる。

表2-3: 五虎遁による月干支の決定

年の天干正月(寅月)二月(卯月)三月(辰月)四月(巳月)五月(午月)六月(未月)
甲・己丙寅丁卯戊辰己巳庚午辛未
乙・庚戊寅己卯庚辰辛巳壬午癸未
丙・辛庚寅辛卯壬辰癸巳甲午乙未
丁・壬壬寅癸卯甲辰乙巳丙午丁未
戊・癸甲寅乙卯丙辰丁巳戊午己未

2024年は甲辰年であるため、年干は「甲」である。したがって、表2-3の「甲・己」の行を参照すると、立春後の正月(寅月)は「丙寅」、啓蟄後の二月(卯月)は「丁卯」となる。

月家九星は、年家九星と、陽遁・陰遁の区別によって決まる。陽遁とは、冬至に最も近い甲子日から夏至に最も近い甲子日までの期間を指し、この期間は九星が順行(一白→二黒→三碧…)する。陰遁とは、夏至に最も近い甲子日から冬至に最も近い甲子日までの期間を指し、この期間は九星が逆行(九紫→八白→七赤…)する。

2.3 日家九星・干支の求め方(変遁日・陽遁・陰遁)

日家九星の計算は、九星気学において最も重要かつ精密さが要求される部分である。年家九星や月家九星が比較的単純な周期計算で済むのに対し、日家九星は陽遁と陰遁という2つの進行方向が、変遁日を境に切り替わるという複雑な構造を持つ。この計算を正確に理解することが、本データベースの価値を理解する鍵となる。

日干支の基本

まず、日干支は60日で一巡する連続的な周期である。日干支は年や月の影響を受けず、ただ60日ごとに甲子→乙丑→丙寅…と順次進行し、癸亥の翌日に再び甲子に戻る。この60日周期は途切れることなく連綿と続いている。

表2-4: 2024年1月の日干支(例)

日付日干支日付日干支日付日干支
1/1丙申1/11丙午1/21丙辰
1/2丁酉1/12丁未1/22丁巳
1/3戊戌1/13戊申1/23戊午
1/4己亥1/14己酉1/24己未
1/5庚子1/15庚戌1/25庚申
1/6辛丑1/16辛亥1/26辛酉
1/7壬寅1/17壬子1/27壬戌
1/8癸卯1/18癸丑1/28癸亥
1/9甲辰1/19甲寅1/29甲子
1/10乙巳1/20乙卯1/30乙丑

上記の表で、1月29日が「甲子」であることに注目してほしい。この甲子日こそが、日家九星の計算において極めて重要な役割を果たす。

陽遁と陰遁の定義

日家九星は、陽遁期間陰遁期間によって進行方向が変わる。

  • 陽遁:冬至から夏至に至る期間。昼の時間が徐々に長くなる時期であり、陽の気が増大する象徴とされる。陽遁期には、九星は一白水星→二黒土星→三碧木星→四緑木星→五黄土星→六白金星→七赤金星→八白土星→九紫火星と順行(数字が増える方向)する。
  • 陰遁:夏至から冬至に至る期間。昼の時間が徐々に短くなる時期であり、陰の気が増大する象徴とされる。陰遁期には、九星は九紫火星→八白土星→七赤金星→六白金星→五黄土星→四緑木星→三碧木星→二黒土星→一白水星と逆行(数字が減る方向)する。

変遁日の決定方法

陽遁と陰遁の切り替わりを決定するのが**「変遁日(へんとんび)」**である。変遁日とは、冬至または夏至に最も近い甲子日として定義される。

変遁日の特定は、以下の手順で実行される。

  1. 夏至または冬至の正確な日時を天文計算によって求める
    冬至は太陽の黄経が270度になる瞬間、夏至は太陽の黄経が90度になる瞬間として定義される。この計算により、日本標準時での夏至・冬至の日付が確定する。
  2. 夏至・冬至の日付における干支インデックスを確認する
    60干支には0から59までの番号(インデックス)が割り振られている。甲子=0、乙丑=1…癸亥=59である。
  3. 干支インデックスに基づいて変遁日を決定する
    • 干支インデックスが0から29(甲子から癸巳)の場合:その日よりで最も近い甲子日を変遁日とする。
    • 干支インデックスが30から59(甲午から癸亥)の場合:その日よりで最も近い甲子日を変遁日とする。

表2-5: 変遁日決定ルール

冬至・夏至の日の干支インデックス変遁日の選定
0-29(甲子~癸巳)直前の甲子日
30-59(甲午~癸亥)直後の甲子日

具体例を挙げよう。2024年の冬至は12月21日である。この日の干支は「戊申」であり、干支インデックスは44(30~59の範囲)である。したがって、12月21日よりで最も近い甲子日を探す。12月21日以降の甲子日は翌年2025年1月8日であるため、2025年1月8日が陽遁の変遁日となる。

一方、2024年の夏至は6月21日である。この日の干支は「壬辰」であり、干支インデックスは28(0~29の範囲)である。したがって、6月21日よりで最も近い甲子日を探す。6月21日以前の甲子日は6月7日であるため、6月7日が陰遁の変遁日となる。

表2-6: 2024年の変遁日決定例

天文イベント日付干支干支インデックス変遁日の選定ルール変遁日遁甲
2024年夏至6/21壬辰28(0-29)直前の甲子日6/7陰遁開始
2024年冬至12/21戊申44(30-59)直後の甲子日2025/1/8陽遁開始

変遁日から各日の九星を求める方法

変遁日が決定したら、その日を起点として日家九星を計算する。変遁日からの九星の進行には、重要な規則がある。

  1. 変遁日の九星は、前期間の最終日と同じ九星になる
    これを「九星のダブり」と呼ぶ。変遁日は、前の期間の最終日と同じ九星が割り当てられる。
  2. 変遁日の翌日から、新しい遁の方向で九星が進行する
    陽遁の場合は順行(一白→二黒→三碧…)、陰遁の場合は逆行(九紫→八白→七赤…)する。
  3. 九星は9日ごとに一巡する
    一白水星が9日続いた後、次の9日は二黒土星、その次の9日は三碧木星…というパターンではない。九星は毎日進行する。

表2-7: 陽遁・陰遁の九星進行パターン

遁甲1日目2日目3日目4日目5日目6日目7日目8日目9日目10日目
陽遁一白(ダブり)二黒三碧四緑五黄六白七赤八白九紫一白
陰遁九紫(ダブり)八白七赤六白五黄四緑三碧二黒一白九紫

通常期間とうるう期間(閏期)

変遁日から次の変遁日までの期間は、約180日である。しかし、実際の天文学的な夏至・冬至の間隔は約182日前後であるため、調整が必要となる。この調整のため、通常期間とうるう期間(閏期)の2種類が存在する。

  • 通常期間:変遁日間隔が220日未満の期間。約180日間隔。年に2回発生。九星は変遁日でダブり、以降新しい遁方向で進行する。
  • うるう期間(閏期):変遁日間隔が220日以上の期間。約240日間隔。約10年に1度の頻度で出現。途中で遁が切り替わる特殊な期間。

表2-8: 通常期間とうるう期間の違い

項目通常期間うるう期間(閏期)
変遁日間隔220日未満(約180日)220日以上(約240日)
発生頻度年2回(約380回/200年)約10年に1度(約20回/200年)
遁の切り替わり変遁日のみ変遁日+途中で1回
九星ダブり変遁日のみ変遁日+途中で1回

うるう期間の調整方法

うるう期間の調整は、210日+210日という均衡の原理に基づいている。

例えば、ある閏期間が陽遁で開始される場合を考える。この閏期間は約240日であるが、そのうち210日を陽遁、残りの30日を陰遁とする。次の期間は陰遁で開始され、約180日継続する。この30日と180日を合わせると210日となり、陽遁210日、陰遁210日という均衡が成立する。

この210日+210日の均衡を実現するために、閏期間では211日目に遁が切り替わる。211日目は、1日目の甲子から経過日数210日であり、干支は甲午となる。**この甲午の日が、夏至または冬至の日付と一致する。**これが閏期間の最も重要な特徴である。

表2-9: うるう期間の遁切り替えパターン

日数日干支九星遁甲備考
1日目甲子一白陽遁変遁日(九星ダブり)
2-180日目順行陽遁第1段階
181-210日目順行陽遁第2段階
211日目甲午三碧陰遁実質的な変遁(九星ダブり)、夏至
212-240日目逆行陰遁第3段階
241日目甲子一白陰遁次の通常期間開始

具体的な計算例:1973年12月24日からの閏期間

実例として、1973年冬至期間(閏期間)を示す。この期間は、1973年12月24日の甲子から始まり、1974年7月22日の甲子まで240日間継続する。

表2-10: 1973-1974年閏期間の日家九星進行(抜粋)

日付経過日数干支九星遁甲備考
1973/12/241日目甲子一白陽遁変遁日(九星ダブり)
1973/12/252日目乙丑二黒陽遁陽遁で順行
1974/5/22180日目癸亥九紫陽遁第1段階終了
1974/5/23181日目甲子一白陽遁60日周期の甲子、遁不変、九星進む
1974/6/21210日目癸巳三碧陽遁第2段階終了
1974/6/22211日目甲午三碧陰遁実質的な変遁(九星ダブり)、夏至
1974/6/23212日目乙未二黒陰遁陰遁で逆行開始
1974/7/21240日目癸亥九紫陰遁閏期間終了
1974/7/22241日目甲子一白陰遁次の通常期間開始(遁不変、九星進む)

この表が示すように、211日目の1974年6月22日(甲午)で、陽遁から陰遁へと切り替わり、九星が三碧のままダブっている。この日が夏至である。

日家九星計算の本質

日家九星を正確に求めるには、以下の情報が必要である。

  1. 毎年の冬至・夏至の日付と干支インデックス
  2. 変遁日(冬至・夏至に最も近い甲子日)
  3. 変遁日からの経過日数
  4. 通常期間か閏期間か
  5. 閏期間の場合、211日目(甲午の日=夏至・冬至)

このうち、1と2は天文学的計算と干支周期から確定できる。3と4は変遁日リストから参照できる。5は閏期間の特殊規則である。

本データベースは、200年間のすべての変遁日を正確に計算し、各日の日家九星を完全に収録している。さらに「Event列」に「変遁」「夏至」「冬至」を明記しているため、変遁日を即座に確認でき、閏期間の途中切り替えも明示されている。この情報があれば、任意の日の日家九星を参照でき、九星気学の実務において計算ミスのリスクを完全に排除できる。

2.4 時家九星・干支の求め方(五鼠遁)

時家九星と時間干支は、1日を12等分した「時辰(じしん)」に基づいて計算される。各時辰は2時間に相当する。

表2-7: 十二時辰と時間帯

時辰時間帯時辰時間帯時辰時間帯
23:00-01:0007:00-09:0015:00-17:00
01:00-03:0009:00-11:0017:00-19:00
03:00-05:0011:00-13:0019:00-21:00
05:00-07:0013:00-15:0021:00-23:00

時間干支は、日干支の天干によって決定される。これを**「五鼠遁(ごそとん)」**と呼ぶ。

表2-8: 五鼠遁による時間干支の決定

日干子刻丑刻寅刻卯刻辰刻巳刻午刻未刻申刻酉刻戌刻亥刻
甲・己甲子乙丑丙寅丁卯戊辰己巳庚午辛未壬申癸酉甲戌乙亥
乙・庚丙子丁丑戊寅己卯庚辰辛巳壬午癸未甲申乙酉丙戌丁亥
丙・辛戊子己丑庚寅辛卯壬辰癸巳甲午乙未丙申丁酉戊戌己亥
丁・壬庚子辛丑壬寅癸卯甲辰乙巳丙午丁未戊申己酉庚戌辛亥
戊・癸壬子癸丑甲寅乙卯丙辰丁巳戊午己未庚申辛酉壬戌癸亥

例えば、2024年1月29日は日干支が「甲子」である。日干は「甲」であるため、表2-8の「甲・己」の行を参照すると、子の刻(23:00-01:00)の時間干支は「甲子」、丑の刻(01:00-03:00)は「乙丑」となる。

時間干支の実務上の価値

四柱推命では、出生時刻の時間干支が「時柱」として個人の運命を読み解く重要な要素となる。また、有名人の出生時刻や歴史的事件の発生時刻が不明な場合、12時間分のデータを並べて「もしこの時刻だったら」という仮説検証を行うことがある。

本データベースは、200年間のすべての日について、12時間分の時間干支を完全に収録している。これは73,049日 × 12時間 = 876,588データポイントに相当する。市販の暦では時間干支が省略されることが多く、手計算では五鼠遁の規則を毎回適用する必要がある。本データベースを用いれば、任意の日の12時間分の時間干支を即座にコピー&ペーストで利用でき、複数の時刻仮説を効率的に比較検討できる。

第3章:九星・干支データの占術応用

九星と干支のデータは、東アジアの多様な占術体系において基礎情報として機能している。本章では、これらのデータが実際にどのような占術分野で使用されているのか、そしてなぜ正確なデータが不可欠なのかを解説する。

3.1 四柱推命・九星気学各流派での活用

四柱推命における時間干支の必須性

四柱推命は、生年月日時の4つの柱から命式を作成し、個人の宿命と運勢を読み解く占術である。この4つの柱とは、年柱・月柱・日柱・時柱を指す。年柱は生まれた年の干支、月柱は生まれた月の干支、日柱は生まれた日の干支、時柱は生まれた時間帯の干支である。

四柱推命の鑑定において、時柱は極めて重要な役割を果たす。時柱が欠けた状態での鑑定は、4分の1の情報を失った状態に等しい。しかし、市販の万年暦の大半は、日柱までしか掲載していない。時柱は利用者が自力で算出することを前提としている。

時柱の算出には「五鼠遁(ごそとん)」と呼ばれる規則がある。この規則は、日柱の日干によって、各時間帯の時干が決定されるという体系である。例えば、日干が甲または己の日は、子の刻(23:00-01:00)の時干が甲となり、以降順に乙・丙・丁と続く。日干が乙または庚の日は、子の刻の時干が丙から始まる。

表3-1: 五鼠遁の法則(日干別の時干起点)

日干子の刻(23:00-01:00)の時干規則名
甲・己甲己日甲子時
乙・庚乙庚日丙子時
丙・辛丙辛日戊子時
丁・壬丁壬日庚子時
戊・癸戊癸日壬子時

この規則を正確に適用するには、まず日柱を確定し、その日干を特定し、さらに出生時刻が12時間帯のどこに該当するかを判断する必要がある。手計算では多段階の照合が必要となり、初学者にとっては誤りやすい部分である。

本データベースは、73,049日×12時間帯=876,588個の時間干支を完全収録している。これにより、任意の日時の時間干支を即座に参照でき、計算ミスのリスクを完全に排除できる。

表3-2: 時間干支収録の実例(2024年1月29日:日干支=甲子)

時間帯時支時干支五行組合せ
23:00-01:00甲子木・水
01:00-03:00乙丑木・土
03:00-05:00丙寅火・木
05:00-07:00丁卯火・木
07:00-09:00戊辰土・土
09:00-11:00己巳土・火
11:00-13:00庚午金・火
13:00-15:00辛未金・土
15:00-17:00壬申水・金
17:00-19:00癸酉水・金
19:00-21:00甲戌木・土
21:00-23:00乙亥木・水

この表が示すように、同じ日でも時間帯によって五行のバランスは大きく変化する。四柱推命では、年柱・月柱・日柱・時柱の4本の柱が持つ五行バランスを総合的に分析することで、その人の先天的な性質や運勢の流れを読み解く。

さらに、四柱推命では過去の歴史上の人物や、出生時刻が不明な人物の命式を検証することがある。有名人の出生時刻や歴史的事件の発生時刻が不明な場合、12時間分のデータを並べて「もしこの時刻だったら」という仮説検証を行う。本データベースを用いれば、任意の日の12時間分の時間干支を即座にコピー&ペーストで利用でき、複数の時刻仮説を効率的に比較検討できる。

九星気学各流派への対応

九星気学には、望月流・村山流・園田流など、複数の流派が存在する。これらの流派は、基本的な九星の考え方を共有しながらも、判断の重点や解釈の細部において独自の特徴を持っている。しかし、すべての流派に共通して必要なのが、正確な日家九星のデータである。

望月流九星気学は、日本で最も広く普及している流派の一つである。日々の九星を基準として、方位の吉凶や日取りの選定を行う。特に、引っ越しや旅行の方位判断においては、出発日の九星が決定的に重要となる。間違った九星を参照すれば、吉方位が凶方位になってしまう可能性がある。

村山流は、年盤・月盤・日盤の重ね合わせによる精密な方位判断を特徴とする。この場合も、日盤の基準となる日家九星が正確でなければ、すべての判断が狂う。また、村山流では過去の出来事を九星で検証する「後追い分析」も重視されるため、長期間にわたる九星データが必要である。

園田流や他の流派においても、日家九星は判断の出発点である。流派によって解釈や応用法は異なるが、データそのものはすべての流派で共通である。

表3-3: 九星気学主要流派とデータベースの対応関係

流派名特徴必要なデータ本データベースの対応
望月流日取り・方位の実用重視日家九星・干支200年分完全対応
村山流年月日盤重ね合わせ日家九星・変遁情報Event列に変遁明記
園田流吉方位理論日家九星・陽遁陰遁遁甲情報列に記載
各種流派独自解釈あり基礎データは共通流派に依存しない純粋データ

3.2 奇門遁甲・風水・択日での活用

奇門遁甲における変遁日と陽遁陰遁の必須性

奇門遁甲は、中国の古代兵法に起源を持つ高度な時空間占術である。時間と方位を組み合わせた「盤」を作成し、特定の時刻・方位における吉凶を詳細に判定する。奇門遁甲では、年・月・日・時の干支と九星、さらに「陽遁」「陰遁」の情報が同時に必要となる。

奇門遁甲の盤を作成する際、最も重要なのが「局数」の決定である。局数とは、陽遁1局から9局、陰遁9局から1局までの18種類の盤のことを指す。この局数は、日家九星と陽遁・陰遁の状態によって決定される。陽遁期の一白水星は陽遁1局、二黒土星は陽遁2局、陰遁期の九紫火星は陰遁9局となる。

局数を正確に特定するには、その日が陽遁期か陰遁期か、そして日家九星が何であるかを正確に把握する必要がある。さらに、変遁日の情報も重要である。変遁日は九星がダブるため、前日と同じ九星であっても遁甲が切り替わっている可能性がある。

本データベースは、「Event列」に「変遁」「夏至」「冬至」を明記し、「遁甲情報列」に陽遁・陰遁の状態を記録している。これにより、奇門遁甲の実務家がこれらの情報を即座に参照できる。

表3-4: 奇門遁甲の局数と日家九星の対応

日家九星陽遁期の局数陰遁期の局数
一白水星陽遁1局陰遁1局
二黒土星陽遁2局陰遁2局
三碧木星陽遁3局陰遁3局
四緑木星陽遁4局陰遁4局
五黄土星陽遁5局陰遁5局
六白金星陽遁6局陰遁6局
七赤金星陽遁7局陰遁7局
八白土星陽遁8局陰遁8局
九紫火星陽遁9局陰遁9局

風水・択日における日選びの実務

風水と択日は、建築や事業開始、結婚、葬儀などの重要行事において、最も良い日時を選ぶために干支と九星が用いられる占術である。香港や台湾では、ビルの建設開始日や開業日の決定に、必ず風水師が関与し、干支暦に基づいた択日が行われる。

択日では、年・月・日の干支と九星の組み合わせだけでなく、時間干支まで考慮されることが多い。例えば、ビルの起工式を行う日時を選ぶ際、日の吉凶だけでなく、起工式を執り行う具体的な時刻(例:午前10時=巳の刻)の干支と九星も参照する。

本データベースは、1日1行で年月日の九星・干支と12時間分の時間干支を完全に収録しているため、択日の実務において必要なすべての情報を一度に参照できる。フィルタリング機能を使えば、特定の干支や九星の日だけを抽出し、候補日を効率的に選定できる。

表3-5: 択日における吉日選定の実例(2024年1月)

日付日干支日家九星陽遁/陰遁十二直吉凶判断
1/5庚子六白金星陽遁事業開始に吉
1/10乙巳二黒土星陽遁開業・開店に吉
1/15庚戌七赤金星陽遁祝い事に吉
1/20乙卯三碧木星陽遁契約締結に吉

注: 十二直は、本データベースに収録されている月干支と日干支から計算可能である。

3.3 歴史研究・統計分析での活用

九星と干支のデータは、占術の実務だけでなく、歴史研究や統計分析においても価値を持つ。過去の歴史的事件が発生した日の九星と干支を検証することで、特定の九星配置と社会的事象との関連性を研究できる。

例えば、関東大震災(1923年9月1日)、太平洋戦争開戦(1941年12月8日)、バブル崩壊(1990年代初頭)など、日本の歴史的転換点における九星配置を分析することで、パターンを発見できる可能性がある。個人レベルでも、自身や家族の重要な出来事(誕生、結婚、転職など)の日付と九星干支を照合することで、個人的なパターンを発見できる。

本データベースは、1866年(明治維新前)から2065年(未来40年)までの200年間をカバーしている。この期間は、日本が近代国家へと変貌を遂げた激動の時代から、未来の予測までを含む。歴史研究者は、特定の時代のファイルを参照することで、その時代の暦注を即座に確認できる。

表3-6: 歴史的事件と九星干支の対応例

歴史的事件日付日干支日家九星陽遁/陰遁
関東大震災1923/9/1庚申七赤金星陰遁
太平洋戦争開戦1941/12/8甲子一白水星陽遁
東京オリンピック1964/10/10甲辰四緑木星陰遁
バブル経済崩壊開始1990/1/1丁未五黄土星陽遁

統計分析の観点からは、本データベースは73,049日という大規模データセットである。データサイエンティストは、このデータセットを用いて、九星と干支のパターン分析、機械学習モデルの訓練データ、時系列分析などに活用できる。CSV形式で提供されているため、Python、R、Excelなど、あらゆる分析ツールで読み込み可能である。

第4章:正確なデータベースの必要性

4.1 手計算・市販暦の限界

九星と干支の計算は、原理を理解すれば不可能ではない。年家九星や年干支は、立春の日時さえ把握していれば比較的容易に求められる。月家九星や月干支も、二十四節気の節入り時刻と五虎遁の規則を適用すれば算出できる。日干支は60日周期であるため、基準日からの経過日数を数えれば特定できる。時間干支も、五鼠遁の規則に従えば計算可能である。

しかし、日家九星の計算は全く別次元の困難さを持つ。

日家九星を求めるには、まず毎年の冬至・夏至の日付を特定する必要がある。現代であれば、カレンダーや暦を見れば夏至・冬至の日付は容易に確認できる。しかし、明治時代のような過去や、数十年先の未来の夏至・冬至を調べることは容易ではない。国立天文台の暦象年表などの専門資料を参照する必要があり、一般の実務家が全期間にわたって正確に収集することは現実的ではない。

次に、冬至・夏至の日の干支を確認し、その干支インデックス(0-59)を判定する。干支インデックスが0-29であれば直前の甲子日、30-59であれば直後の甲子日を変遁日とする。この判定自体は単純であるが、200年分について繰り返す必要がある。

さらに、変遁日から次の変遁日までの期間が通常期間(約180日)か閏期間(約240日)かを判定する。閏期間の場合、211日目(甲午の日)で陽遁と陰遁が切り替わり、九星がダブる。この調整を手作業で正確に追跡することは、極めて煩雑である。

表4-1: 日家九星計算に必要な情報と入手難易度

必要な情報入手方法難易度備考
年家九星立春の日時国立天文台暦象年表で確認可能
月家九星節入り時刻暦象年表で確認可能だが煩雑
日干支60日周期基準日から数えれば算出可能
日家九星冬至・夏至(過去・未来)・変遁日・閏期過去・未来の夏至冬至収集+複雑な規則、手計算は非現実的
時間干支五鼠遁規則を知っていれば計算可能

市販の暦には、年家九星や日家九星が記載されているものもある。しかし、その計算根拠が明示されていないことが多く、変遁日や陽遁・陰遁の情報が欠落している場合がある。また、市販暦の多くは現在から前後数年程度の期間しかカバーしていない。過去の歴史的事件を検証したり、未来の長期計画を立てる際には対応できない。

時間干支については、市販暦のほとんどが収録していない。四柱推命の実務家は、毎回五鼠遁の規則を適用して手計算するか、専用の万年暦ソフトウェアを使用するしかない。手計算では、日干の判定ミスや時刻の読み違えによる誤りが生じやすい。

表4-2: 市販暦と本データベースの比較

項目市販暦(一般的な例)本データベース
対象期間現在±数年1866-2065年(200年)
日家九星○(記載あり)○(完全収録)
変遁日情報△(不明瞭)○(Event列に明記)
陽遁・陰遁情報△(記載なしが多い)○(遁甲情報列に記載)
時間干支×(ほぼ記載なし)○(12時間分完全収録)
計算根拠×(不明)○(国立天文台データ準拠)
データ形式紙・PDFExcel形式

4.2 デジタルデータベースの優位性

デジタルデータベースの最大の優位性は、検索性と加工性にある。紙の暦では、特定の干支や九星の日を探すには、ページを順に繰って目視で確認するしかない。しかし、Excel形式のデジタルデータであれば、フィルター機能や検索機能を使って、瞬時に目的の日を抽出できる。

例えば、「2024年中の甲子の日をすべて抽出する」という作業を考えてみよう。紙の暦では、365日分のページを一つずつ確認する必要がある。デジタルデータであれば、日干支の列で「甲子」をフィルタリングするだけで、数秒で結果が得られる。

表4-3: デジタルデータベースの実務上の利点

作業内容紙の暦デジタルデータベース
特定の干支の日を探す全ページ目視確認(数分~数十分)フィルター機能で数秒
特定の九星の日を抽出全ページ目視確認フィルター機能で数秒
複数条件での検索(例:甲子かつ一白水星)極めて困難AND条件で即座に抽出
過去100年分のパターン分析現実的に不可能Excelで統計処理可能
データのコピー&ペースト手入力が必要即座にコピー可能
バックアップ物理的な複製が必要ファイルコピーで瞬時

さらに、デジタルデータは加工が容易である。例えば、自分の生まれた日の日家九星と同じ日だけを抽出して、自分にとっての「九星的記念日」のリストを作成できる。あるいは、特定の事業を開始する際に、向こう1年間の吉日候補をリスト化し、他のスケジュールと照合することも可能である。

本データベースはExcel形式で提供されるため、Excelの基本操作ができれば、すぐに活用できる。特別なソフトウェアは不要である。

4.3 実務での便利さ(1日1行一覧・コピペ・時刻推定)

本データベースの設計思想は、1日1行で年月日時のすべての情報を一覧できるという点にある。これにより、実務上の作業効率が劇的に向上する。

1日1行一覧の利点

従来の暦では、年の情報、月の情報、日の情報、時間の情報がそれぞれ別の場所に記載されていることが多い。例えば、ある日の四柱推命の命式を作成する場合、年柱は年表を参照し、月柱は月表を参照し、日柱は日表を参照し、時柱は五鼠遁の規則を適用して自力で計算する、という多段階の作業が必要だった。

本データベースでは、1行に年月日の九星・干支、さらに12時間分の時間干支がすべて記録されている。該当する日の行を開けば、必要な情報がすべて揃っている。これにより、情報の取りこぼしや参照ミスのリスクが大幅に減少する。

表4-4: 1日1行データ構造の例(2024年1月29日)

日付年九星年干支月九星月干支日九星日干支子刻丑刻寅刻亥刻
2024/1/29三碧甲辰七赤丙寅一白甲子甲子乙丑丙寅乙亥

この1行を見るだけで、2024年1月29日のすべての九星・干支情報が把握できる。四柱推命の実務家であれば、この日の任意の時刻に生まれた人の命式を、即座に作成できる。

時刻不明ケースへの対応

四柱推命や奇門遁甲の実務において、しばしば直面する問題が出生時刻不明のケースである。有名人や歴史上の人物の命式を検証する際、生年月日は判明していても、正確な出生時刻が不明な場合が多い。このような場合、12時間分の時間干支を並べて、「もしこの時刻だったら」という仮説検証を行う。

本データベースは、各日について12時間分の時間干支を完全収録している。該当する日の行を参照すれば、子の刻から亥の刻まで、12通りの時柱候補が即座に確認できる。これにより、時刻推定の作業が大幅に効率化される。

表4-5: 時刻不明ケースの時柱候補一覧(2024年1月29日生まれの例)

時間帯時干支時柱の五行命式全体のバランス(例)
23:00-01:00(子)甲子木・水水木が強い
01:00-03:00(丑)乙丑木・土土が加わる
03:00-05:00(寅)丙寅火・木木火が強い
05:00-07:00(卯)丁卯火・木木火が強い
07:00-09:00(辰)戊辰土・土土が強い
09:00-11:00(巳)己巳土・火火土が強い
11:00-13:00(午)庚午金・火火金のバランス
13:00-15:00(未)辛未金・土土金が強い
15:00-17:00(申)壬申水・金金水が強い
17:00-19:00(酉)癸酉水・金金水が強い
19:00-21:00(戌)甲戌木・土土木のバランス
21:00-23:00(亥)乙亥木・水水木が強い

この表を見れば、時刻によって命式の五行バランスがどのように変化するかが一目瞭然である。実務家は、本人の性格や人生の傾向から逆算して、最も整合性の高い時刻を推定できる。

コピー&ペーストの実用性

デジタルデータのもう一つの利点は、コピー&ペーストで即座に情報を利用できる点である。鑑定書を作成する際、顧客の生年月日時の干支を記載する必要がある。本データベースから該当する行をコピーし、鑑定書のテンプレートに貼り付けるだけで、正確な情報を記入できる。手入力による転記ミスを完全に防止できる。

また、複数の日付の情報を一度に取得したい場合も、該当する行をすべて選択してコピーすれば、一括で情報を取得できる。例えば、ある月の吉日候補10日分の情報を一度にコピーし、別のシートやドキュメントに貼り付けて比較検討することも可能である。

4.4 Part 2(製品仕様・購入ガイド)への導入

以上、本章では九星・干支データベースの必要性について、手計算・市販暦の限界、デジタルデータベースの優位性、実務での便利さという3つの観点から解説した。

日家九星の計算は、原理は理解できても、実際に手作業で200年分を正確に算出することは現実的ではない。特に、過去や未来の夏至・冬至を収集し、変遁日の特定、閏期間の調整、陽遁・陰遁の切り替えという複雑な規則を、ミスなく適用し続けることは、専門家であっても困難である。

本データベースは、これらの計算をすべて完了し、検証済みの状態で提供する。実務家は計算の手間から完全に解放され、鑑定や研究という本来の業務に集中できる。200年という長期間をカバーし、時間干支まで完全収録している点で、他に類を見ない包括性を持つ。

次章(Part 2)では、本データベースの具体的な仕様、検証方法、製品ラインナップ、note内の購入方法について詳述する。Part 1で九星・干支の計算原理と本データベースの必要性を理解した上で、Part 2では実際の製品としての詳細を確認されたい。

以下に2024年分から2025年分の2年分のサンプルの九星・干支データのフリーダウンロードリンクを貼っておきます、Part2には10年ごとの200年の九星・干支データ、24節気の1851年から2050年の200年マスターデータ。
加えて、ロサンゼルス、ホノルル、シドニー、香港・中国・シンガポール等の世界の暦も紹介しますので、Part2をお楽しみに。

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