EPCプロジェクトと遂行させるための姿勢

EPCプロジェクト技術

過去、日系企業に居たときに書いた文章。
その中の文章の一部抜粋

 では、どれぐらいの姿勢やモチベーションが自分のEPCプロジェクト遂行の中で実践して行ったか、そして、実行、実現したかを紹介したいと思います。

現地で現地所長は「KINGであれ!」

 これが一番と思っています、人の意見を聞かないのではなく、国家を動かすというような強いモチベーションの元、自分の内閣というべき、日本人派遣者の限られた人材を生かしながら、プロジェクトという国を運転をしていく。その難しさというのは皆から守られている、東京では絶対に得られません、限られた人材を如何に生かして遂行するか?また、海外という違う国での日本とは違う文化の人間、社会の中でKINGたるか?そういったシステムをキチッと作り上げたときにプロジェクトは回転してきます。

違った国や社会の中で許す、許容する、理解する、という気持ちを忘れない

 これが2番目に大事な姿勢です、文化、歴史観、生活、家族観、すべて国により違います、そのようにベースが違う人たちと仕事をするのに、そういった大きなキャパシティで望まない限り、理解し得ず、理解し得なければ、日本人だけが殻回りし、孤独感に陥り、プロジェクトを仕事として、その国の人たちと共有することは出来ません。

メキシコシティ 通称 アンヘル(Angel)

 しかし、実は今の私の気持ちは、「もう、2度とメキシコでは仕事をしたくない。」という気持ちです、メキシコのプロジェクトの関係者の皆さんにも常に公言していました、それくらい、KINGではありましたが、理解や妥協、そして何よりも許容してきたつもりです、その精神的疲労というのは彼らが日本人を許容するのと同じぐらい、大変なもので、知れば知るほど辛くなり、彼らが嫌になってくるのです。

 でも、逆に自分が辛くなればなるほど、彼らとは仕事をする上では本当に力強いパートナーに変わっていくのです。面白い結果です。

覚悟。

 覚悟を決めることです、それぐらい本気に異国の人間と付き合うことです、私は何度、絶対にやってはいけないと言われる、異国の人間を人前で怒鳴ってきました、しかし、その度に彼らと判りあえてきたと思います。

フィリピン、マニラ:有名なジプニー

 でも、これは本当にリスキーなのでお勧めしませんが、、フィリピンの時など毎日毎日怒鳴っていたので、現場では「いつ後ろから刺されても良い!」というような覚悟で歩いていました、気合です、もし、そういった気合で歩いていれば、絶対に刺されることはありません。

 海外のEPCプロジェクトの現場をする時はそれぐらいの覚悟はいつも出来ています、幸い、刺されたことはありませんが、でも、自分の所長室のドアはいつも開いています、その意味はいつでも怒鳴り込まれても良い、そういった覚悟はある!という、気概の証拠でもあるのです。

逃げない姿勢

 現地責任者は逃げ場がありません、ということはすべてを理解しなければいけないということです、理解する能力、予知する能力、そういった責任者としてすべき、そのプロジェクトを遂行するためのすべてのリスク管理を、頭を使って、使って、使いぬいて、考えて、考えて、考え抜くのです。

 そういった、理解力や予見能力は責任者として最も重要な能力です、もちろん、自分ひとりの力では出来ません、参謀と言えるような自分の左腕、右腕の意見を取りまとめ、整理し、そして分析する、特に聞く耳を鍛えぬくことです、人の意見に100%無駄はありません、すべて否定せず聞き、そして、判断する、逃げない、ということは、リスクを回避するということであり、問題が発生した場合はどう、Mitigateするか、結論づけるか、ということを総論として纏め上げられるか、ということなのです。

今回のメキシコのパートナーであるICA-Fなどは完全にこの私の姿勢を理解していました、彼らは自分たちで処理できない問題点になると私の部屋に来て、「問題がある」と正直に言ってきます、しかし、私は1度も逃げたことはなく、すべての問題において彼らを指導、指揮し、必要な時は自ら現場にたって、指揮し、解決してきました、そういった信頼関係は自分の逃げない姿勢を彼らは信頼してくれていた証拠であると自負します。

発想の転換

 これは少し違うかもしれませんが、最後に挙げたいと思います。これはエンジニアの方や間接部門の方にも言えることなのですが、発想を転換することで問題が解決することもあります、海外工事はリソースが限られています、発想を豊かにし、そして、対応していかなければ、当たり前のことで行き詰ってしまいます。

 メキシコの時の一つの例を紹介したいと思います、ある日、メキシコの私たちのパートナーであるICA-Fの一番のBOSSが私のオフィスに来て、「困ったことがある、どうしょうもないから、工程が遅れることを認めてくれ。」と鳴いてきたのです、そのことというのは実はLNGタンクには内外槽間という1mの巾、高さ38m円周230mの9%Niの内槽とPCコンクリートで出来ている外槽の間の閉所作業があるのです、そこで、工程が著しく遅れている、キャッチアップしなければいけないActivityがあって、私達が何人で何日で終わらすように工程を書き、サブコンもAgreeし、その通りに工事を遂行している途中でした、確かに毎日のプログレスが上がらず、「おかしい」とIHIのメンバーで話していたところでした。その矢先に彼が来て、Give Upをしたのです。

LNGタンク 屋根内工事施工

 よくよく話を聞いてみると、その理由というのが、その閉所作業は不安定なゴンドラに長時間乗り作業をするため、給与を割り増しし、夜間も作業させ、工程通り遂行しようとしているのだが、職人が次々辞めていき、その山積みに乗らない、というものでした。

 その悪環境での作業は私も承知していましたし、検案していていたのは事実でした。そこで私は彼に言ったことは、「環境を改善しろ、考え方を変えろ、まず、ライトを3倍に増やし、明るくしろ、人間、明るいところは安心する、次にアクセスを良くしろ、アクセスが良いと言うことは孤立感がなくなる、最後に、必ず、人を絶やすな、人がいれば人は孤独感を感じず安心する。そして、彼らと対話しろ、彼らの意見を聞いて尊重し、その作業環境を改善しろ。」という、指示を出しました、そして、次の日から工程がその通りに乗り始め、改善して言ったのは、自分でも不思議なくらいでした。

 このように、現地責任者というのは当たり前のカンフル剤を打ってもダメです、現地責任者としての自分の価値観が何にあるかを見出し、そして、その価値観を磨きに磨くことが重要なのです。

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